ワカメを食べると髪が生える？薄毛のウソ・ホント

本当

「薄毛が遺伝する」というと少し語弊がありますね。正確にお答えすると「薄毛になりやすい体質が遺伝する」ということになります。しかも、これも100％事実として立証されたわけではありません。

2005年にドイツの研究チームが「薄毛に関する遺伝子」についての発表を行いました。詳しくは「薄毛は本当に遺伝するのか？」で解説していますが、要約すると「薄毛になる人の遺伝子（X染色体）には変異がみられる場合が多い。この変異が男性ホルモンの働きを強くして薄毛を招く。」というものです。
このX染色体は母親からしか受け継がれないため、この研究から「母方のおじいちゃんがハゲだと自分もハゲる」と言われるようになったのです。

しかし、体質というものは生活習慣や環境を変える事で、ある程度は改善することが可能ですので、薄毛の遺伝子を持っていたとしても薄毛進行を抑制することは可能です。また、薄毛はたいていの場合、複数の原因が重なって発症しますので、“遺伝”という一要因だけで“ハゲる”と決めつけるのは短絡的過ぎます。人間の遺伝子についても、まだ100％解明されたわけではないので、あまり気にしすぎず、今できる育毛対策をしっかり行う事が賢明といえるでしょう。

ウソ

髪の毛の色は毛髪に含まれるメラニン色素によって決まります。メラニン色素は毛根にあるメラサイト（色素細胞）によって生成されるのですが、このメラサイトの働きと、髪の毛の元となる毛母細胞の働きには関連性はありません。毛母細胞分裂が行われなくなれば薄毛になり、メラサイトが消失するれば白髪になりますので、白髪でも薄毛になるという可能性は十分にあります。「自分は白髪家系だからハゲない！」と安心して不規則な生活を送っていると、ある日気づいたら薄毛になっているなんてこともありますので注意してください。

ウソ

ワカメやヒジキなどの海藻類を食べると髪の毛が生えるなんて話も良く聞きますね。僕も小さいころ祖母から言われた記憶がありますが、これもウソです。確かに海藻類にはミネラルが含まれていて、それ自体は毛髪生成に欠かせない栄養素です。しかし、そこから摂取できるミネラルはたかが知れており、頭皮への供給に回る分もごくわずかです。
それよりも、毎日3食しっかりと、毛髪生成に必要な「タンパク質」「ビタミン」「亜鉛」を中心とした栄養バランスのとれた食事を摂取することが大切です。

ウソ

サザエさんの波平さんがやってそうですが、これもウソです。おそらくは「頭皮に刺激を与える事によって毛乳頭、または毛母細胞を活性化させて発毛を促進する」という狙いだと思いますが、これは正しいです。毛乳頭の働きが弱いと毛母細胞に発毛指令を正確に伝達することができません。また、頭皮周辺の毛細血管の血流を良くする意味でも刺激は大切です。しかし、ブラシで叩くのは乱暴ですね。逆に頭皮を傷つけて炎症を起こし、薄毛の原因を作りかねません。頭皮を刺激するのであれば、手の平を使った頭皮マッサージが有効です。手の平で頭を包み込むようにして、指の腹全体で優しくゆっくり頭皮を揉みほぐしましょう。最近は頭皮用のマッサージローラーなんてものもありますので、それを使ってみてもいいと思います

本当（になる可能性がある。）

ちょっと曖昧な回答ですみません。誤解のないようにまず説明しますと、帽子やヘルメットを被る事が直接薄毛の原因になることはありません。注意すべきなのは、帽子・ヘルメットを長時間被っていて、頭皮が蒸れることです。頭皮が蒸れると毛穴が開き、皮脂分泌が過剰になります。すぐに洗髪ができて清潔な状態が保てればよいのですが、長時間その状態のままでいると、「皮脂が毛穴詰まる→頭皮が炎症を起こす→薄毛になる」という可能性が出てきます。帽子やヘルメットが頭部を圧迫して血行不良の状態になるのもよくありません。
たまに帽子やヘルメットを被る程度なら大丈夫ですが、頻繁に被っていると影響がまったくないわけではないですね。ヘルメットを日常的に被るようなお仕事の方は、たまにヘルメットを外して頭皮マッサージをすることをおすすめします。当然ですが毎日しっかりシャンプーしましょうね！