薄毛は本当に遺伝するのか？

「ハゲは遺伝する」

誰もが一度は耳したことがある言葉ではないでしょうか。これはかなり昔からよく言われている話題ですね。遺伝と言われてしまうと、もう自分の力ではどうしようもできない気がしてしまいますが、果たしてこの噂は本当なのでしょうか。

結論から申し上げると、
薄毛が遺伝するというのは本当です。

ちょっと待って！絶望した方、諦めるのはまだ早いです。厳密に言うと、「薄毛が遺伝する」のではなく「薄毛になりやすい体質」が遺伝するということ。つまり、環境や生活習慣を改善することで、親が薄毛であっても薄毛の進行を抑制することができるのです。
また、薄毛は複数の原因が重なりあって発症することがほとんど。家系が薄毛だからといって、諦めるのは非常にもったいない事です。
ここでは、薄毛の遺伝に関する正しい知識を得る事で、「自分の薄毛は遺伝なんだ…」ではなく、「自分の薄毛は遺伝のせいではなかったんだ！」と認識してもらうことが目的です。薄毛遺伝について学ぶことで、本来解決すべき他の薄毛の原因を特定するきっかけにして頂ければと思います。

薄毛になりやすい遺伝子の研究

2005年にドイツの研究チームが「薄毛に関わる遺伝子」についての発表をしました。研究の内容は、40歳以前に薄毛になりはじめた男性を集め、それらの男性の家系の血液サンプルを分析したというものです。その結果、若年にして薄毛が進行した人は、X染色体にあるアンドロゲン（男性ホルモンの一種）受容体遺伝子に異変が多くみられた、というものです。その遺伝子の変異によって、頭皮でのアンドロゲンの働きが強くなり、男性型脱毛症（AGA）をおこしやすくするということです。
染色体は2つあり、X染色体とY染色体があるのですが、このドイツ研究チームの主張が正しければ、X染色体は母親からしか遺伝しないため、母方の祖父が薄毛であれば、自分も薄毛になりやすい体質の遺伝子をもっていることなります。よくいう、「母親のお父さんがハゲだと自分もハゲる」はこの研究結果からきているものだったのです。

しかしだからと言って「母方のじいちゃんハゲてるからオレもハゲてるんだわー」と落胆するのはむしろおかしいと個人的には思います。なぜなら、人間の遺伝子のすべてが解明されたわけではないからです。このドイツチームの研究は、たまたま「薄毛になる（かもしれない）遺伝子」について発見をしました。では、「薄毛にならない（かもしれない）遺伝子」もあると考えても全く不思議ではありません。

何度も言うようですが、薄毛の原因は遺伝だけでなく、食生活や睡眠、ストレスなどが複合的に起因し発症するものです。遺伝子という、普通に人にはなにものかさえ分からない原因にとらわれるよりも、まずは自分の力で改善できる原因に目を向けるのが得策だと思います。

また、逆をいえば「ウチはハゲない家系だから！」と油断して不規則な生活を送っていると、薄毛をまねく可能性があるということ。後で後悔しないように、誰でもどんな時でも正しいヘアサイクル作りを心掛けましょう。

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